トイレットペーパーが溶ける時間はどのくらい?つまりの原因と対処法を徹底解説

毎日何気なく使っているトイレットペーパー。水に流せることは知っていても、実際にどのくらいの時間で溶けるのか、なぜつまってしまうのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
トイレットペーパーが原因のつまりは、正しい知識があれば予防できますし、万が一つまってしまっても適切に対処することで被害を最小限に抑えられます。本記事では、トイレットペーパーが水に溶ける仕組みや所要時間から、つまりの原因と予防法、そして緊急時の対処法まで、わかりやすく解説していきます。
トイレットペーパーは本当に水に溶ける?その仕組みと時間

トイレに流したトイレットペーパーがどうなるのか、実は「溶ける」という表現は正確ではありません。
トイレットペーパーが水中でどのように変化し、なぜトイレに流しても大丈夫なのか、その科学的な仕組みについて詳しく見ていきましょう。
日本のトイレットペーパーは100秒で溶け始める

日本で販売されているトイレットペーパーには、厳格な品質基準があります。
日本工業規格(JIS規格)では、300mlの水に浸したトイレットペーパーを撹拌した際、100秒以内に繊維がほぐれることが定められています。この時間は、一般的な家庭の排水管の長さや勾配を考慮して設定されたもので、日本の下水道システムに最適化された基準です。
JISをクリアした製品にはJISマークが表示されており、安心してトイレに流せます。
トイレに流した後は、排水管内を通過しながら水流と接触し続けることで約2〜3時間で完全に細かくなり、下水道へと流れていきます。
水に溶けるのではなく「ほぐれる」が正解
トイレットペーパーが水中で起こす変化は、砂糖や塩が水に溶ける変化とは根本的に異なります。
トイレットペーパーの主成分は植物繊維(セルロース)という水に溶けない物質です。それでも流せる秘密は、繊維同士の結合方法です。トイレットペーパーは短い広葉樹パルプを原料とし、繊維同士をデンプン糊でゆるく結合させています。
水に浸かると、このデンプン糊が分解されて繊維の結びつきが弱まります。その結果、紙の形が崩れ、細かい繊維に分散していくのです。つまり、分子レベルで水に溶けているのではなく、物理的にバラバラになっている状態です。
トイレットペーパーの種類で溶ける時間は変わる?

トイレットペーパーといっても、実はさまざまな種類があり、水への溶けやすさに違いがあります。
自宅のトイレ環境に合った製品を選べば、つまりのリスクを大幅に減らせるでしょう。種類別の特長について詳しく解説します。
シングルとダブル、どちらがつまりにくい?
トイレットペーパーの厚さには、シングル(1枚重ね)とダブル(2枚重ね)の2種類があります。
シングルタイプは紙が薄い分、水との接触面積が大きく、繊維がほぐれやすい構造です。一方、ダブルタイプは2枚の紙を重ねているため、使い心地は柔らかく快適ですが、水に浸かってから完全にほぐれるまでに時間がかかります。
特に注意が必要なのは、節水型トイレを使用している場合です。従来のトイレに比べて流す水量が少ないため、ダブルタイプの厚い紙は十分に水に浸からず、つまりやすくなる傾向があります。
節水型トイレをお使いの家庭では、シングルタイプを選ぶか、ダブルタイプを使う場合は使用量を控えめにするとよいでしょう。
日本製と海外製で大きな差がある理由
トイレットペーパーの品質は、製造国によって大きく異なります。
日本製品は前述のJIS規格により、100秒以内に水でほぐれることが保証されていますが、海外製品にはこのような基準がないものが多いです。
この違いは、各国のトイレ事情の違いから生まれています。欧米諸国では排水管が太く設計されているため、紙がある程度塊のまま流れても問題ありません。
一方、日本の住宅は狭い敷地に合わせて配管も細く複雑になっているため、紙が素早くほぐれないとつまりやすくなります。
安価な海外製品に飛びつく前に、日本の住宅事情に合わせて作られた国産品を選ぶことが、長期的にはつまりトラブルを避ける賢い選択といえるでしょう。
再生紙や高級紙による溶けやすさの違い
環境に配慮した再生紙製のトイレットペーパーも人気があります。
再生紙は古紙を原料としているため、繊維が短く切断されており、新しいパルプで作られた製品よりも水でほぐれやすいためつまりにくくなっています。環境にも優しい製品といえます。
ただし、再生紙の品質は原料となる古紙の種類によってばらつきが大きいため、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが大切です。
一方、肌触りを重視した高級タイプのトイレットペーパーは、密度が高く、柔軟剤などの添加物も多いため、やや溶けにくい傾向があります。
とはいえ、日本製でJIS規格を満たしている限り、使用方法を守ればつまりの心配はほとんどありません。
なぜトイレがつまるの?主な原因と予防のコツ

トイレットペーパーは水に流せる設計になっているのに、なぜつまってしまうのでしょうか。
実は、つまりの多くは使い方の問題で起こります。日頃から正しい使い方を心がけ、可能な限りトラブルを回避しましょう。
一度に流す量の目安は5メートルまで
トイレットペーパーの適切な使用量の
一般的な目安として、1回の使用量は約5メートル、腕を広げて2〜3回引き出した程度が適量とされています。これ以上の量を一度に流すと、紙が水を十分に吸収する前に塊になってしまい、つまりの原因となります。
特に掃除の際に大量の紙を使ってしまったり、小さなお子様がいたずらで紙を大量に流してしまったりする状態はつまりを起こしかねません。
使用量が多くなりそうな場合は、途中で一度流してから再度使用するなど、こまめに流す習慣をつけることが大切です。紙の種類や厚さによっても適量は変わるため、つまりやすいと感じたら、より少ない量で流すよう調整してみましょう。
節水型トイレで気をつけたいポイント
最近の住宅では、環境への配慮から節水型トイレが主流です。
従来のトイレが1回あたり13〜15リットルの水を使用していたのに対し、最新の節水型では4〜6リットルと、約3分の1の水量で流せます。
しかし、水量が少ない分、紙や排泄物を押し流す力も弱くなるため、使い方には十分な注意が必要です。
節水型トイレを使用する際は、トイレットペーパーの使用量を控えめにし、排泄物が多い場合は紙を流す前に一度流すなど工夫しましょう。
また、タンクレストイレの場合は水圧も関係してくるため、設置時に適切な水圧があるか確認することも重要です。
流してはいけない紙製品を知っておこう
トイレに流せるのは、基本的にトイレットペーパーだけです。
「流せる」と表示されている製品でも、実際にはトイレットペーパーほど素早くほぐれないものが多く存在します。例えば、トイレ掃除用のお掃除シートや赤ちゃんのおしり拭きなどは、使用中に破れないよう丈夫に作られているため、水に浸かってもなかなかほぐれません。
これらの製品を流す場合は、1枚ずつ流すか、できればゴミ箱に捨てることをおすすめします。
また、ペーパータオルやキッチンペーパーは絶対に流してはいけません。これらは吸水性を高めるための特殊な加工がされており、水に浸かっても形を保ち続けるため、高い確率でつまりの原因となります。
トイレつまりを放置したらどうなる?起こりうる深刻なトラブル

トイレがつまっても「そのうち流れるだろう」と放置するのは危険です。
軽い詰つりでも、放置することで取り返しのつかない事態に発展する可能性があります。特に集合住宅では、自分だけでなく近隣住民にも迷惑をかけることになりかねません。
汚水があふれて階下へ水漏れする危険性
トイレのつまりを放置した場合、最も深刻なトラブルが汚水の逆流です。
排水管が完全につまると、流した水は行き場を失い、便器から溢れ出してきます。トイレの汚水には雑菌が多く含まれているため、床に広がれば衛生面でも大きな問題となるのです。
特に2階以上の部屋で発生した場合、汚水は床を浸透して階下の天井から漏れ出すことがあります。
階下が他人の部屋であれば、家財の損害賠償や清掃費用、場合によってはリフォーム費用まで請求されるかもしれません。実際に、マンションでのトイレつまりによる水漏れ事故では、数十万円から数百万円の賠償金が発生したケースも報告されています。
下水の悪臭が部屋中に充満することも
トイレの便器には、常に一定量の水が溜まっています。
この水は「封水」と呼ばれ、下水管からの悪臭や害虫の侵入を防ぐ重要な役割を果たしていますが、つまりによって正常な水の流れが妨げられると、封水が減少したりなくなったりする可能性が高いです。
もし封水がなくなると、下水管から強烈な臭いが室内に逆流してきてしまいます。
下水の臭いは非常に不快なため、一度室内に充満すると換気だけでは除去が困難です。壁紙や床材、家具などに臭いが染み付いてしまうと、専門的な消臭処理やリフォームが必要になることもあるでしょう。
配管の腐食や劣化が進んでしまう
トイレのつまりを長期間放置することは、排水管自体に与える悪影響が大きいです。
つまった部分に汚物や紙が滞留し続けて腐敗が進み、配管内部の腐食を促進させます。特に古い建物の鉄製配管では、腐食による穴あきや破損のリスクが高まるでしょう。
また、つまった箇所に次々と汚物が蓄積され、つまりはさらに悪化していきます。
最終的には、配管そのものを交換する大規模な工事が必要になる可能性が高いです。配管交換工事は壁や床を剥がす必要があるため、費用も高額になり、工事期間中はトイレが使用できなくなるなど生活に大きな支障をきたします。
トイレがつまった!今すぐできる5つの対処法

トイレがつまってしまったら、まずは落ち着いて状況を確認しましょう。
トイレットペーパーが原因のつまりであれば、家庭にあるもので対処できることが多いです。効果的な5つの対処法を順番に紹介します。
まずは2〜3時間待ってみる
トイレットペーパーによる軽いつまりの場合、まず何もせずに待って様子を観察してください。
日本製のトイレットペーパーは水に浸かると繊維がほぐれる設計になっているため、2〜3時間放置すれば自然に流れることが多いです。ただし、水位が便器のふちギリギリまで上がっている場合は、溢れる危険があるため別の方法を試しましょう。
待っている間に水位が徐々に下がっているようであれば、紙が少しずつほぐれて流れ始めている証拠です。
完全に水位が下がったら、バケツで少量の水を流してみて、正常に流れるか確認してください。なお、海外製の紙や掃除シートが原因の場合は、放置しても改善しない可能性が高いため、次の方法に進みましょう。
ぬるま湯でゆっくり流してみる(熱湯は厳禁!)
お湯を使うと、トイレットペーパーの繊維がより早くほぐれます。
お風呂のお湯より少し熱いくらいの温度、45〜60℃程度が目安です。バケツに便器の半分程度の量のお湯を用意し、高い位置から排水口めがけてゆっくりと注ぎましょう。
高い位置から注ぐことで生まれるお湯の落下エネルギーが、つまり解消に役立ちます。お湯を注いだ後は30分〜1時間ほど放置し、紙が十分にふやけるのを待ちましょう。
絶対に注意すべきなのが、熱湯を使わないことです。100℃近い熱湯を陶器製の便器に注ぐと、急激な温度変化により便器にひびが入ったり、最悪の場合は割れてしまったりすることがあります。
必ず手で触れる程度の温度に冷ましてから使用してください。
ラバーカップ(スッポン)で吸引する
ラバーカップは、つまり解消の定番アイテムです。
使い方は簡単で、カップ部分を排水口にしっかりと密着させ、ゆっくりと押し込んでから勢いよく引き上げます。この動作を数回繰り返すことで、圧力差によりつまった紙を吸引したり、押し流したりできる仕組みです。
ラバーカップが完全に水に浸かった状態で使用すると、より効果的でしょう。
水が少ない場合は、バケツで水を足してから作業してください。また、引き上げる際に汚水が飛び散ることがあるため、床に新聞紙やビニールシートを敷き、汚れてもよい服装で作業することをおすすめします。
真空式パイプクリーナーを使う
ラバーカップよりも強力な吸引力を持つのが、真空式パイプクリーナーです。
ハンドルを押し引きすることで強力な吸引力を発生させ、頑固なつまりも解消します。ラバーカップと比べて操作が簡単で、力の弱い方でも扱いやすいです。
価格は2,000〜5,000円程度とラバーカップより高価ですが、トイレだけでなくお風呂や洗面所のつまりにも使用できるため、一家に一台あると便利でしょう。
使用方法は製品により異なりますが、基本的にはノズルを排水口に密着させ、ハンドルを数回押し引きするだけです。
市販の薬剤でつまりを溶かす
パイプクリーナーなどの薬剤を使用する方法もあります。
アルカリ性や酵素系の薬剤は、トイレットペーパーや排泄物を分解する効果が高いです。使用する際は、必ず単独で使用し、他の洗剤と混ぜないよう注意してください。
塩素系と酸性の洗剤が混ざると有毒なガスが発生し、大変危険です。
薬剤を使用する際は、換気を十分に行い、ゴム手袋を着用して作業しましょう。規定の使用量と放置時間は必ず守ってください。
ただし、薬剤は紙や排泄物には効果がありますが、固形物には効果がありません。つまっているものが何かきちんと確認してから使うことを覚えておきましょう。
沖縄でトイレつまり解消グッズが買えるホームセンター5選
トイレつまりの対処に必要な道具は、地元のホームセンターで購入できます。沖縄県内でおすすめの店舗を紹介します。
メイクマン 浦添本店
住所:浦添市城間2008
営業時間:9:30~20:00
県内最大級の品揃えを誇る老舗ホームセンター。ラバーカップから高機能なパイプクリーナーまで、詰まり解消グッズが豊富に揃っています。DIY相談コーナーもあり、使い方のアドバイスも受けられます。
メイクマン 豊見城店
住所:豊見城市田頭187番地
営業時間:9:30~20:00
広い駐車場完備で買い物しやすい大型店舗。水回り用品コーナーが充実しており、各種薬剤も取り扱っています。
メイクマン 具志川店
住所:うるま市江洲648
営業時間:9:30~20:00
最近リニューアルされ、さらに商品数が増えました。プロ仕様の工具も扱っているため、本格的な詰まり解消グッズも見つかります。
自力で解決できないトイレつまりは「ハイスイ沖縄」へ
上記の方法を試しても改善しない場合や、明らかに固形物がつまっている場合は、無理をせずプロの水道業者に相談しましょう。
沖縄県で水回りのトラブルにお困りの際は、地域密着型の水道修理業者「ハイスイ沖縄」にお任せください。24時間365日受付対応しており、年末年始やお盆期間中でも変わらずサービスを提供しています。最短30分から1時間ほどで現場に駆けつけ、経験豊富なスタッフが迅速にトラブルを解決いたします。
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